2016.10.05
大阪のデパートで、個展があり観に行ってきました。去年「103歳になってわかったこと」という氏の本を読んでいたので、どのような作品なのか興味がありました。
書画という分野なのだと思いますが、文字よりは線、「私の言葉なんて無意味です。百万の言葉より、一本の線がわたしのつたえたかったことです。」とおっしゃっている通り、線の力強さは年齢とは関係の無い、強い思いが伝わるものでした。
墨の黒が、赤や金、プラチナ等と対比になったり調和したり墨の濃淡が実に絶妙で芸術的な面白い独特な作品でした。
初めて飛行機に乗ってアメリカへ行った頃の話などビデオトークしているのを聞いて、なんと私が生まれたころに飛行機に乗ったんだ(プロペラ機だったそうです)当時40代の氏の何とも斬新な発想につくづく色々な方がおられるものだと感心しました。
自分の親世代より20歳近くも年上で、あの時代にそのような事が出来た人なのだと。
日ごろ、終戦後の親たちの苦労話を聞いていたので、今の彼女の年齢よりも、たどった道筋に驚きました。
自分はアメリカで認められたお陰で今があるとおっしゃっていましたが、本の中に面白い表現があり、このお歳になったから達観できているのかなと思いました。
ふしぎ
なんで、私は絵なぞ描いて生きてきたんだろう。
お腹の足しにもならない絵なぞ描いて。
農家の人が作物をつくる意義は、よくわかる。
人の役に立っている。
だけど芸術なんていうものは、
高いお金で買ってもらって、
なんだかインチキで世渡りしてきたような、
ほんとうは
悪い事をしてきたのかもわからない。
人は、ご飯が食べられて、
暖かく暮らしているだけでは、心が満たされず、
なにかを求めてしまうのでしょうか。
人が生み出した美しいもの、音楽や絵などは、
心の隙間を埋めるお手伝いが
できているのでしょうか。
この歳になってくると、
あらゆることがふしぎになってくる。
(因みに作品は2百万前後の物が10作以上売却済み(会期4日目)になっていました。
店員さんが寄ってきて説明してくれましたが、観るだけ、見るだけ。)
作品は下記より観れます。
http://www.gi-co-ma.or.jp/collection/art/
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