2014.03.02
ドキュメンタリー映画を見てきました。
我々が癒しを求めて遊びに行く沖縄。
私も大好きな沖縄。
沖縄の基地問題、戦後の沖縄の状態も、珊瑚の問題も知っていると思っていた。
このドキュメントをみて、本当に知るべきだったのは
沖縄の人々の苦悩、やるせなさ、やり場のない怒り、そして悲しみと絶望感だった。
沖縄本島北部に広がるヤンバルの森。
東村、高江区は豊かな自然に囲まれた人口160人ほどの山村。
自然の中で自由にくったくなく遊ぶ子供の姿が映画の始めに映し出され、その時点でこの環境を守ることの必要性を感じた。しかし、
その村の上空は、巨大軍用ヘリが飛び交い、国内最大の米軍専用施設。
総面積7800haのジャングル戦闘訓練場に囲まれてしまった。
民家との間にはフェンスもなく、民家の庭先に訓練中の兵士が現れることも珍しくないという。
まるで戦場の中で暮らしているような恐怖の中に、今度はヘリパッドが6つも新設されるという。
自分たちの住む場所を、危険から守ろうと座り込む人々を国が通行妨害で訴えた。
SLAPP裁判である。
国から圧力をかけられ、防衛局ははぐらかし、アメリカ軍は関係ない顔をするなか、普天間基地へのオスプレイ配備、
これに立ち向かう沖縄の人々のドキュメント。
全国ニュースから黙殺され日本本土に住む人間には知らされなかった出来事である。
沢山の問題提起。
なぜ沖縄県人同士が座り込む側と、排除する側に?
警察は誰を守るの?
民と権力、国は国民を守らないという事がはっきり描き出されている映画だった。
作る側の意図が云々の問題ではない。
命と生活がアメリカ軍におびやかされているという事実がそこにはあった。
「何十年、こんな事続ける?アメリカもないちゃー(本土の人)も何にもしてないよ。うちなんちゅ(沖縄の人)同士ばかりでこんなことしているんだよ?」と警察に向かって。
防衛施設局の人に向かって。
「米軍に基地を提供しているあなた方に沖縄の人の気持ちわかる?
米軍には土地を取られてさ、あなた達には山を滅茶苦茶にされて、
我が家は自分の家の墓にも入れない。
婦女暴行され、ジェット機は落とされ、ヘリコプターは落とされ、この基地はそういう基地でしょ?
あなたは任務かもしれない。
我々はここでの歴史的な任務だよ。
次の世代にこんな苦しみは与えたくない。
やるならやる。我々もやるよ。」
と云う村人の言葉が重く響く。
何ができるのだろう。何かしなければ。という思いばかりが独り歩きする。
とにかく、知らされない事実を一人でも多くの人に知ってほしい。
自分たちが(本土の人間)が平和だと思ってくらしているその代償を沖縄の人々に押し付けている事実を解っておこうとあらためて感じた映画でした。
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