自分らしく生きる生き方そのものが人を健康にする

NVY-intro12

ナチュラル ヴォイス ヨガ入門 12

   2015年1月号 (No.184)

ナチュラル ヴォイス ヨガ入門と題して12回目になりました、私の著書を読んでの独習が難しいようなので、どこから取りつくのかをわかりやすく書こうというのが当初の狙いです。いまもその目的は変わっていませんが、ついつい脱線してしまうのが悪い癖です。

声を出すにも生活をするにも、健康であるためにも、体や心の使い方と一体の「呼吸」こそが大切。「花の香りをかぐ呼吸」に始まり、「クムバク体操」まで、シリーズとしてはこの一年、呼吸のことだけを書いてきました。

柔かく深い呼吸を四六時中していられるような自分を養い育てたい、そして少しでもそのやり方が分かったらその成果を他の方にも役立てていただきたいと、息の感じ方、特にクムバクについて何回か書きました。そして「クムバク体操」や「クムバク力を養う」という表現で何度も書いたように思います。

今年はこれに声を出しながらの呼吸体操に持って行きたいと考えていますが、今回も少しお話から始めたいと思います。

この「クムバク力を養う」という表現には、「力」という言葉が入っているので、あたかも筋肉を鍛えて筋力をつけるようなやり方をするのではないかと思う方もおられるかもしれません。

しかしこれには、腹筋や腕立て伏せで鍛えるというのとは全く質の違う感じ方、捉え方が必要です。

もちろん、「クムバク力を養う」にもある程度の筋力が必要ですが、それ以上に、締まる力に対して広がる力、縮む力に対して伸びる力、上がる力に対して下がる力、というような相反する拮抗する力のバランスが大切です。そしてそのバランスを感じ取る働きが強くなければなりません。また、それらの拮抗する働きをまとめる意識の力、そしてその意識を引っ張る心の働きも大切なのです。

腹筋体操なら、少々体が縮んだままや腹を立てたままの心が乱れた状態でやってもそれなりに筋力を強めることができることでしょう。しかしクムバク力はそうはいきません。

体の中心力を高めると同時に、積極的な心の状態を維持する力そのものがクムバク力なのですから、全身が協力して伸び伸びとしながら求心力で引きつけ、積極的な心が意識を統一した状態を生みだし、心や体の働きにジレンマがないまま維持し、行動することが求められるのです。

怒ったりめそめそしたままとか、だら~とした姿勢のままでクムバク力の高まった状態を生み出すなど、どう転んでもできるわけがないのです。

背筋を伸ばし、肩の力を抜き、首が楽で、胸が楽に広がり、立っているなら足の裏に力がこもり、肛門が締まり、下腹部に腹圧を感じ、吐く息に力がこもり、恐れや悪意を感じず、どんな表情をしていようと腹の中に笑いがこもり、包容力のある気分になり……、とまあ、こうやって挙げていくと、とまるところがないくらいたくさんの感じ方をしています。

しかしこれは決して色々な感じを寄せ集めているのではありません。うまく行っている時にはすべての感じが揃っている、まとまって働いているという状態なのです。どこかに力を入れ過ぎれば別のどこかの力が抜け、どこかが抜けると他のどこかで不要な力が入ってしまうのです。

立った状態や座った状態でこれ等を自分のものにした姿勢が取れるようになったら、その意識状態がなくならない、どこかに消えてしまわないように動き行動し、思考し対話できるようになることが大切なのです。

これを動禅といいますが、例えば、座禅を組んでいる時だけは心が落ち着き、広く豊かな心持ちになれても、それが生活の場で生かされなければ何の意味もないのと同じなのです。

沖先生は、「肛門を締め、肩を下げ、肩甲骨を締め、足の親指に力を込め、丹田に意識を置くのだ」と、よく言われていました。

たったこれだけのことのようですが、これがまとまった働きとしてできるためには、人それぞれ自分の足らないところの働きを高め、自分の体や心の使い方の癖を正し、生活を意識的に変え、自分を改造していく必要があり、多くの人にとっては一筋縄でいかない大事業なのです。

でも最近はテレビでも雑誌でも色々と言われる健康情報ではけっしてそんな難しいことはいいません。

ヨガでさえ、多くのヨガはもっともっと簡単です。そんなに簡単にできるのなら世の中で不健康な人や心の豊かでない人がどんどん減ってきそうなものですが、多分ここ10年を見ても50年をみても、減るどころかますます増えてきているように思われます。

声のことでも同じです、多くのNet情報では部分的なことをあげつらい、いかに自分に知識があるかをひけらかせているだけにしか見えません。でも難しいといってあきらめる必要はありません、本来のヨガは簡単ではないかもしれないけれど、大きな観点で指針を与えてくれているのですから。

さてそれでは声と今までやった呼吸を融合させる試みをやってみましょう。 まずはクムバク体操 (P131-140) をやり、それに阿波踊り風またはテンツクく(P92-93) をあわせ、そこで「あっはっはー あっはっはー」と笑いのメロディー (P43参考) を動きに合わせて唄うのです。

このメロディーは「手をたたきましょう」という幼稚園でならう童謡です。「てーをーたーたーきーまぁしょー、タンタンタン タンタンタン」、 最後の方は「あっはっはー あっはっはー ああおもしろい」という皆さんご存知の歌です。

動きの順番は、まずクムバク体操をし、下腹に意識を置くとか、もっとソフトな感じで息を調和した状態に持って行っておき、そこで阿波踊りのように手と頭頂が軽く天を突くタイミングと膝を伸ばすタイミングを合わせ、そのリズムに乗って歌の最後の「あっはっはー あっはっはー ああおもしろい」と歌うのです。うまくタイミングが合うようになったら、笑う声の高さを色々に変えてやってみると面白いですね。

次回はここにスタッカートを入れて違う使い方を学んでみましょう。
(頁数は拙著「ナチュラル ヴォイス ヨガ」の頁です)



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