自分らしく生きる生き方そのものが人を健康にする

NVY-intro33

ナチュラル ヴォイス ヨガ入門 33

 和気愛会 2016年11月号 (No.206)

 私にとって自分の人生の軸になっているものがヨガであり、その核心は沖正弘師から教わりました。

もちろんB.K.S.アイアンガー師や多くのすぐれた先生、接する生徒さんたちを通して多くを学びましたが、私の中に深く残っている人はわずかです。

また 書物では、39歳で亡くなったヴィヴェーカナンダ(1863年 - 1902年)の講演録からは計り知れない恩恵をいただきました。この方の話される内容は、生身で教えてくださったお二人と共に、影響というよりも私の骨格になりました。

しかし、その多くの“学びを得る姿勢”を与えてくださったのは沖先生でした。まだ二十歳そこそこでしたが、道場で、講演で、質疑応答で、何度も何度も同じ言葉を、それこそ耳にタコができるほどたくさん聞きました。そして多くはありませんが個人的に 教えていただいたことも私の中に大きく残っています。そんな言葉を思いつくままに並べてみます。

《生命即神》 - 《生命(いのち)が神だ》

《生命は間違わない、うそをつかない》

《生命の声は気分である》 《生命にきけ》

《こだわるな、とらわれるな、引っかかるな》

こんな話を何回聞いたか、ミミタコでした。

《感謝・懺悔・下座・奉仕》、晩年にはこれに《愛行》を加え、《これが出来たら超能力だ、おれは40年やってるがまだ難しい》

《バランスをとれ、ヨガとはバランスのことだ》

《宗教とは人間が生きるための根本の教えのことだ》 《ヨガは沙門系の密教である》

《密教とは体験したことのみを自分のものとする教えのことである》
 沙門という言葉はバラモン階級以外の出身の修行者を指す言葉のようですが、沖先生の解説では、経典、教義など一切のドグマを持たず自由な立場で真実を求める求道者のこと、といわれていました。そして、沖ヨガ道場では《求道実行》という小冊子を月刊で発行していました。

《仏教と釈迦の教えは別ものだ》

《キリスト教とイエスの教えは別ものだ》

《冥想とは広く深く感じること》《感知力を高めよ》

《エネルギーも知識も自分に取り入れただけ出す、もらったら与えるのだ》 

《救われるには救われる資格を身につけよ》

《自業自得》 《百人百様》 《一人一宗》

《悟りとはちょうど良い時に、ちょうど良いことを、ちょうど良いだけできること》

《心・体・呼吸、これがヨガの三密だ》

《諸道諸芸のコツは呼吸にあり》

《丹田を中心に動作せよ》

《出し切って生きろ、出し惜しみをするな》

《全力発揮で生きるんだ》《背水の陣で生きるんだ》

《積極心を養え、積極的に生きるんだ》

《積極心というのは物事の良い面を見て良い解釈をする心のことだ、お前らはなんでも悪い面ばかり見て悪いように解釈をする専門家だ。良い解釈をする練習をせよ》といつも言われていました。

《信じるな、疑うな、確かめよ》

《俺の言うことも信じるな、疑うな、実践せよ》

《人の頭を借りるな、自分で体験し自分で考えよ》

《俺の教えたことをそのまま伝えるな》

《人まねは泥棒だ、実践・体験して自分のものにしたものだけを伝えよ》

《おまえらはもらうことばかり考えている》ともよく言われていました。

《足の親指に力を込めよ、肛門を締めよ、顎を引け、肩を下げ肩甲骨を下げて締めよ、丹田に意識を置け》

《少食・少眠・多動・多考》

《食欲不振を大切にせよ》

《食べたら出す》(不要物を排泄する)《エネルギーも知識も自分に取り入れただけ出す、もらったら与える》

《体験を増やせ》《適応力を高めよ》

 まだまだいくらでもあることでしょう、この広範な生きる指針が耳に頭に染みついており、こんなことを言われていた…と、 折に触れ色々な言葉が思い出されます。

 盲動ではありましたが、二十歳過ぎの若造が心酔してがむしゃらにやるんですから、元気があって、ほんとに一生懸命やりました。無駄な鉄砲を振り回していただけかもしれませんし、いまだに同じことをしているのかもしれません。 とてもじゃないですが、この指針をそのままに生きることはできません、でも、歳を取っても人生の摩擦に擦り切れることなく、豊かさが増える生き方ができるようになったのはこれらの指針のおかげです。

さてそれでは新しく名前をつけた、
《 調和呼吸法 》についてお話しします。

 この呼吸法は私のやってきたことを現時点で、形にしてお伝えできるヨガの一つのアプローチです。これだけしかできなくても、ある程度、気の流れの必要な方向性を確保するのに役に立つ、という考えで組み立てた呼吸法です。
 本来の体の働き、呼吸力が問題なくある人にとっては、それを一層高めるためにやっていただき、その大切な働きを失っている人には、失ったものを取り戻すために是非続けてやっていただきたいと思います。
 続けてやれば体も気分も変わってくることでしょう。
この呼吸法の組み立ては、まずは大きく分けて、
1、準備呼吸体操
2、調和呼吸法初級編
3、調和呼吸法中級編
4、調和呼吸法応用編
の大きな4項目に分けています。

《1、準備呼吸体操》は、調和呼吸法の本編に入っていくための導入編で、沖先生の著書「ヨガのすすめ」の中に呼吸体操として紹介されているものです。
 これは深い呼吸をするために不可欠な骨盤と肋骨の開閉力を養う呼吸体操で、呼吸筋を無理なく調整していくことができますし、あまり運動をしていない人、歳を取ってきて体の動きが少し悪いかなと感じている人にとっても肋骨の可動性を高め、深い呼吸をしていくためにとても有効です。

《2、調和呼吸法初級編》
これは、この紙面でいつもお話ししている、喜びに満ちた心の働きの足を引っ張らないよう、子供なら当たり前に持っているような気持ちが踊るような体と呼吸の使い方、そして落ち着いて頭がクールになり自信や行動力のある体と呼吸の在り方の両方を一つにして、呼吸法として実習していきます。

①吸気クムバク体操
②調気呼吸法
③跳躍呼吸法
④呼気クムバク体操
 この4つです。
 まず①では、これまではただクムバク体操と呼んできた、《吸気クムバク体操》をします。
 息を大きく吸って止め、いくつかの種類のうちの一つの体操をして、肋骨が広がり横隔膜が下がり、肛門や下腹が締まることで、陽圧になっている息の圧力を全身に均等に分散し、息を解放してもその息が抜けて出て行かないような、吸った息を支えている状態を作り出します。観点を変えて見ると、肋骨を上げて吸った息を背骨を伸ばす起立筋の働きにバトンタッチする呼吸法といってもいいでしょう。たくさん息を吸っている状態で、強くも弱くも、全身を使いながら楽に声を出せる状態です。

②ではラジオ体操と反対の呼吸法という呼び方で紹介していた呼吸法で、今回から《調気呼吸法》と呼ぶことにします。
 この呼吸法は中を見つめ、深く柔らかい呼吸で気を調えるので《調気呼吸法》と呼んでいます。肋骨を高く保ち、ゆっくりと行います。

③が跳躍呼吸法です。これも毎回会報でお話ししている内容を具体的に体の動きと呼吸を組み合わせて呼吸法にしたものです。
④は呼気クムバク体操。いままでここでお話ししてきたクムバク体操は、ほとんどが、吸った息の状態で息を止める①の吸気クムバク体操です。今回のは吐いた息で行うクムバク体操です。
ここまで①~④を通して《調和呼吸法初級編》としています。
今回は準備編の前半を次頁に紹介します。

と、会報ではこの調和呼吸法を何回かに分けて紹介するつもりで書き始めたのですが、会報でもNetでも、よしんばDVDにしたところでこの呼吸法の正しいやり方、この呼吸法の生まれるエネルギーになった哲学的なバックボーンなどを伝えることはできないだろうと考えを変えました。

まずは直接指導できる方だけに伝え、その方が他に伝えることができる程度の把握をすれば、また他の方に伝えていただくというやり方に変更します。

やってみたい方は個人指導やセミナーで受講してください。

今まで指導者養成には消極的でしたが、この調和呼吸法や母音メソッドなど、指導内容を限定しての資格を発行していこうと考えています。



  → 次へ

  → 戻る

  → 目次から選ぶ

  → 周平のヨガ記事に戻る

powered by Quick Homepage Maker 4.91
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional