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NVY-intro13

ナチュラル ヴォイス ヨガ入門 13

   2015年2月号 (No.185)

ヨガの教室でもナチュラル ヴォイス ヨガセミナーでも、新しい人が来たときに驚くことが時々あります。ある程度ヨガ経験のある人にとっても少し難しい動きをやることがありますが、それを新参の方が割合簡単にやってしまうことがあるのです。

私が教室やセミナーでやることには、いわゆるヨガのポーズだけではなく、飛び跳ねたり瞬間的に力を入れるというようなけっこう動的なものや、体の中の動き感じて行う体感空間を重視した呼吸体操などもあり、いわゆるヨガをやっている人にとっても慣れない新しい事柄が多くあります。

そんな中で、ヨガ経験のある人よりも経験の少ない人の方が簡単にやってしまうことがあるということなのです。

ちょっと驚いて、采佳と秘かに「すごいすごい」と目くばせでうなずき合ったりしますが、そこでその人に「今までスポーツか何かしていましたか?」と尋ねると、たいていは「私は何もしてきていません、ヨガもしたことがないし…」と返ってくることがほとんどなのです。

また、声のことでも、こんな体勢をとってこんな声を出してください…と指導していくうちに、その求めている声を、初めてのレッスンでも楽に出してしまう人がいるのです。

今まで発声法を習ったり何か声を使うことをやってきた人ほどうまくできるのではないかと考えやすいのですが、決してそうとは限りません。

やってきたことに捉われ、変わったことや新しいことがやりにくいという人の方が多いようにみうけます。もちろん良い使い方を憶えてきた人の場合には、新しいことをやる時にも今までにやってきたことが役に立ち、応用がきいて上達がとても速いという場合もありますが、そのような人は少数派です。

ヨガをやっていた人やヨガの先生をしている人の 身体の使い方もよく見ますが、素直な使い方ということでは何もしてこなかった人のほうがたいていずっといいのです。

もちろん、赤ちゃんのような素直な心と体を持ったまま大人としての能力を持ち、その上に歳を重ねた熟練・老練になれたらいいのにといつも思って暮らしていますが、きっとそんな人は少ないことでしょう。かく言う私も癖づいているという点ではまあ誰にも引けを取りません。

実際、スポーツを一生懸命やってきた人はたいてい、使い方に無理な癖が身についていて元に戻すのがたいへんです。とはいえ、心や体が生き生きと伸び伸びと出来るような使い方の邪魔をしないなら、体が硬いとか曲がりにくいなどと言うのは程度問題で大したことではありません。

心が喜びに躍動するのと全く同じ次元にある、体の躍動こそが重要なのですが、その躍動を止めたり押さえつけたりする働きが運動神経に入り込んでいる人にとっては、その使い方を変えるための努力が必要になります。

声の出し方についても、コーラスで発声法を習って身につけた人や、声楽をしっかりやってきた人ほど、口の形や呼吸筋の使い方などに多くの癖があり、素直な声を出すことが難しいものです。その上、感受性まで癖づいていて、良い声がでていてもその自分の声が良い声と思えない人がとても多いのです。

とはいうものの、私たちが素晴らしい歌や演劇を聞いて楽しませてもらうことができているということは、多くの歌手や俳優たちが声楽や発声法を通じて深く学びよい使い方を身につけてきたということでしょうから、発声法そのものの問題ではなく、どのようなことも学び方が大切であるということでしょう。
 
体の使い方は運動神経支配の問題だけではなく、自律神経や筋肉の状態、そして血行の問題、そして食べ物や食事の習慣なども含めた全身的、全生活的な問題です。

しかし、求めるところは、喜んで生きるということとです。喜んで生きている時にどのような体の使い方をしているか、そしてそのときの呼吸の状態は、という三つが連携して身についていくということです。

人生で最も大切な、最高の喜びを得て生きるために必要なトレーニングをするということに直入するのです。

今まで何をやってきたかということはあまり関係なく、身体が硬いとか、スポーツをしたことがないとか、今の身体の状態や能力から、あれは難しいだろう、これは無理だろうというように判断しないで、まずはやりたいことから気楽に始めるのがいいのでしょう。

 そして、心が軽い、気持ちが明るい、伸び伸びしている。仕事をするときもスポーツをするときも、家庭にいるときも何をするときも、体の使い方や呼吸の使い方と連動している心の状態をいつも見つめ、自分の人生を喜びにあふれたものにしていくということが大切なのです。

今回も余談が長くなってしまいました。さて、それでは笑いにスタッカートを入れた練習をしてみましょう。

笑いにはある程度スタッカート的な要素もあるのですが、これをもっともっと短く、0.**秒の瞬間しか声が出ないようにお腹を使ってコントロールします。

無理に大きな声を出す必要はありませんが、遠慮のない伸び伸びした声で、そして姿勢が正しく楽に伸びたまま、連続して10秒間に20回から30回くらい続けてハッ ハッ ハッ ハッ ハッ ハッ と声を出します。

大切なのは肋骨を下に押し下げる力を使わない、首に力を入れない。体を伸ばし、肋骨が高いまま下腹と肛門を締めてスタッカートの声を出す。そうすると、お腹を挟む上下の横隔膜や腹筋・腰筋が協力する働きが高まり、生き生きとした呼吸力が身につくのです。

前回までの声を出す体操に、このスタッカートの声を追加してやってみましょう。

前回と同じ手順で、クムバク体操 (P131-140) をやり、次に阿波踊り風またはテンツク(P92-93)で、手と頭頂が軽く天を突くタイミングと膝を伸ばすタイミングを合わせ、そのリズムに乗って「あっはっはー あっはっはー ああおもしろい」と歌い、うまくタイミングが合うようになったら、今回の話題のスタッカートで声をだし、

「笑う心」と「笑うお腹」と「笑う顔」で、声の高さを色々に変えてやってみましょう。

(頁数は拙著「ナチュラル ヴォイス ヨガ」の頁数です)



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