shuhei Blog

声人生

2013.04.09

  今日も声の話ですが、私がどうして声・声・声とずっと声に関心を持ってきたのか、気が付けば50年も声浸けの生活をしてきています。それはやはり子供のころから歌が好き、声を出すのが好きだったからこそなのでしょう。

 そういえばヨガをはじめたころに、沖ヨガの兄弟子、お菓子問屋で鍼灸師でもあった門田稔先生から、「お前は大腸経だから歌が好きなんだ」と言われたことがありました。五行や経絡のことも色々読みましたが、この意味するところについては分からないまま時間が経ちました。この意味の分かる方がおられたら是非教えてください。

 さて、子供のころから歌が好きで、唱歌、流行歌、外国の歌と耳にする歌はなんでも歌っていました。今のように世の中にたくさんの曲があふれていたわけではありませんが、学校で習う小学校唱歌、ラジオから流れる流行歌、そして母が歌って教えてくれるたくさんの歌がありました。その中の ~わらべは見たり 野なかのバラ~ と歌うシューベルトの「野バラ」の曲では、一時的に転調した半音高い音が出てきてちょっと歌いにくかったのですが、母は、私が歌えるようになるまで何度も何度も歌ってくれたことを思い出します。

 父も音楽好きで、若い頃のヴァイオリンを弾いていた写真がありました。そして近くの海に海水浴に行くときには、父の歌うフォスターの「ケンタッキーの我が家(My Old Kentucky Home)」を自転車の荷台で聞き、The sunshine brigtht in my old Kentucky Home…と、英語がわからないまま耳で覚えて歌い、今もその記憶で歌うことができます。英語を覚えた後からこの曲のことを思い出し、歌から正確な英語の歌詞を書き出していました。

 また、ラジオから聞こえてくるコマーシャルソングのはしりで、「ゆうべミミズの鳴く声聞いた、あれはケラだおケラだよ…」、「オーロラ輝くその中で、ちょっとすました燕尾服…」と、福助足袋やサンスターの歌、そして島倉千代子、美空ひばり、Johnnie Ray-Just Walking in the Rain・・・と、父母は歌謡曲を嫌ったけれど、どの歌も歌うことは楽しく、およそラジオから流れてくる音楽はなんでもおぼえて歌っていました。

 母は若いころピアノを弾きたくて、習いたくて仕方なかったけれど、公務員の家庭では長男にはある程度お金をかけても、女の子にはそんな贅沢は許されなかった時代だった、とよく聞かされたことです。そして、父も特に音楽環境のあった家に育ったわけではないけれど、ヴァイオリンを弾いたりギターを弾いたりしていたようで、私の子供のころ家にギターはなかったのに、あるとき知り合いの家にあったギターを手に取って、酒は涙か溜息か…と古賀メロディーを弾き語り始めたのにはびっくり、上手にいい声で歌ったのをおぼえています。

 現在93歳の父は60歳を過ぎてからピアノを弾きはじめ、少しリズム音痴ではありますが、リチャード・クレイダーマンやショパンのノクターンを簡単にした楽譜などを弾いて楽しんでいます。

 シューベルトやベートーヴェンなどのクラシック音楽をラジオでよく聞いていたこんな父母の影響で、私も違和感なく耳に入ってきていたのだと思います。

 とんでもなく東大進学率の高い灘中学に入ってからは勉学に明け暮れるようになり、歌うことから遠ざかっていたのですが、高校生になったころ、兄が声楽をやっているという親友の家で聴いたシューベルトの「白鳥の歌」のレコードは衝撃的でした。ハンス・ホッターかヘルマン・プライか、誰だったか覚えていないけれど、歌声に胸がふるえ、ドイツリートの虜になり、その時から多くの歌曲を聴くようになりましたが、特にシューベルトは私を強く捉え、訳詩を読めば憧れに胸が高鳴り、この世界に浸っていたい、自分もこんな歌が歌いたいと思ったのが声人生の始まりです。

 父や母もシューベルトの「冬の旅」はよく聞いていたようで、日本では有名になったゲルハルト・ヒュッシュという名前が時々出てきていたので、その人の「冬の旅」をレコード店で手に入れて聞くようになりました。当時はまだめずらしい登校拒否になっていて、学校に行かずこのレコードをかけてはポロポロと涙を流して聞いていました。

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