ヨガをするとは
5000年の歴史を持つ、古くて新しいヨガですが、一般に取り入れられ、多くの方が取り組むようになったのはごく最近のことです。経験の浅い先生も深い先生も、日本の先生も外国から来る先生も、きっと、まじめに伝えたいと考えている先生も、商売本位でやっている先生も、色々なタイプのヨガがまぜこぜで、色々な教室が乱立し、いい加減な内容も、経験を十分に積まないと分かりえないような深い内容も、同じ次元で扱われ、言葉だけがごく簡単に飛び交っています。
言葉を受け取る側がしっかりと取捨選択をできるような気構えを持っていないと、ただ流行に翻弄され、本来のヨガの価値を享受できないばかりか、多くのトラブルを抱え込むことになります。大切なのは、ヨガをすることで生きる原点をつかむことです。
健康は自分でつかむ、美しく生きる、喜んで生きる、そして遊びも仕事もすべてをヨガにしてしまうことが大切です。インドの難しい言葉や呼吸法やポーズの言葉を並べたてても、それで自分が変わるわけではありません。逆に、インドのヨガの書物に書かれていないことであっても、生命力をより生かすことの出来るものなら、どのようなことでもヨガとして行うことができます。
気候風土、生活習慣、食習慣が違い、また体質も国によって違いますから、インドのヨガにこだわる必要はどこにもありませんし、ヨーロッパやアメリカからのヨガも全く同じです。大切なことは自分に合ったことを正しくやることです。道筋を見失わないこと、色々な情報に振りまわされず、正しく自分をみつめ、難しいことよりも自分に必要なことを絶え間なく続けることです。正しくやりさえすればいつのまにか体の歪みが減り、血行が調い、心も体も変わり、人生の全てが変わってきます。
それでは、正しくやるということはどういうことでしょうか。ポーズをすることがヨガをするということではありませんし、呼吸法をすることがヨガをするということでもありません。
自分は食べてきた物でできています。これまで何を考えてきたかという思考でできています。そして与えられた遺伝情報の上に、何を考え、何を食べ、どんな体の使い方をし、どんな生活の仕方をしてきたのか、それらが現在の自分を作っています。ですから、それらを無視してただポーズをしても、ただダイエットをしても自分を変えることはできません。
ヨガをするということは自分の人生のありかたそのものを相手にするということで、とても大きな範囲で多岐にわたってやることがありますし、その内容は人によって様々です。ですからその内容や方法を自分だけで見つけるのは難しいかもしれません。でも、必要なことは自身を変えていくということですから、自分でやり方を見つけることができるように、独り立ちできるようになるまではよい指導者が必要です。
直接そんな先生に巡り合うことは難しいかもしれないけれど、せめて本当のことを言っている書物などの情報が必要です。でも、自分はよくない指導者だと言って宣伝する人はどこにもいませんから、よい指導者は自分で探さなければなりません。
自らの生命がこの人だ、と確信を持てるような人に巡り合う旅が必要です。それは書籍探しでも同じです。そんな人や書籍はきっと、体、心、そして仕事、人生、・・・と、一緒に考えそして指南してくれることでしょう。
次の記事
→ 本来のヨガ_3. 生命の働き
この記事へのコメントはありません。