生命に訊く
ヨガで健康を獲得したり自己実現をしたりしていくことができます。しかしその力がヨガにあるのではありません。ヨガは大きな道筋を示しているに過ぎません。自分にとっての道筋は自分で見つけなければなりませんが、多くの方がここで間違えます。自分で見つけるということは自分の生命に訊くということです。
問いも答えも自分の中にあるのです。
現代の私たちは、生命の働きを観察して、どんな栄養が必要かとか、どんな筋肉がどんな働きをしているのか、というような調べ方で私たちが健康に暮らすための方法を探っています。しかし元々、生命そのものは誰に教えられるわけでもなく、なんの研究もしないでも、元気に生きる力そのものです。
本来、何かをして元気になったり病気が治ったりするのではなく、治すその力そのものが生命の働きなのです。生命は常に元気に生きようとしているのですから、初めから生命の言うことを訊いて生きていればいいのに、人間はその生命の働きや要求を無視して生きるために元気から遠ざかり、病気を抱え込み、不幸になっているのです。ここが理解できれば「生命に訊く」という生き方と向き合うことが必要だとわかります。
ヨガをすれば健康になるのではなく、健康になるように生命の働きに合わせる生活をする、というヨガをするのです。心が豊かになるように何か物を手に入れるのではなく、心そのものが豊かになるようなヨガのやりかたをするのです。
全ての頂点に立つのが自分です。
世の中で良いと言われることを信じてはいけない。
先生の言うことを信じてはいけない。
もちろん、私の言うことも。
でも疑ってはいけない、自分で試してみよ。
これが沖ヨガで大切にする生き方の一つです。
今登っている山頂に楽園があるのではなく、とんでもない迷路の先にあるのかもしれません。いや、自分一人でレンガを積んで壮大な宮殿を建てるように、楽園は自ら作り上げるものかもしれません。
一番大切なこと、それは、ヨガに効用があるのではなく、自分がやることに効用があるのです。インドやスリランカに、もちろん日本やヨガ教室にヨガがあるのではありません。自分に試し、自分に訊き、自分を信じ、自分を喜ばせる生活をする。これがヨガをするということです。
ヨガのポーズや修正法なども身につけていくことが必要ですが、なによりもこのようなヨガのやり方を学ぶことが大切です。
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