2015年 12月号
今年も無事に師走を迎えました。新年を迎えると云ういい方は何の抵抗もなく「迎える」と云えますが、師走は、「とうとう来てしまいました。」という感じで、喜んで迎えるという感じとはなにかが違うという気がします。最後の月と最初の月の違い?
本来日々再生と考え一日一日を大事に暮らすという思いの中では、師走も新年も同じ一日の積み重ねでしかないのですが、区切り、ケジメというか、此処までですよ、という線引きを沢山しながら生活している事に慣れてしまっているように思います。
何か事が起きた時にずっと後になって、あの時の選択ミスが此処に繋がってしまっているという後悔も有ったりすることを思えば、選択の連続である日々を大事にしっかり選択して生きなければと思います。
先日、ケネディーの暗殺事件を扱ったクレイ・ショー裁判を題材にした「JFK」という映画を観ました。オリバーストーン監督ケビンコスナー主演の映画で、検事役のコスナーが、何故ケネディーが殺されなければ成らなかったのかを暴いていく内容でしたが「ベトナム戦争に反対した」ケネディーが、5年後にはキング牧師も殺され、都合の悪い人間を消してしまい、武器商人達が巨万の富を得、アメリカの中心部を財力で牛耳っていく様がリアルでした。
今まさに「IS」という敵を作り、形を変えた戦争が始まっていますが、その元凶はベトナム戦争に始まったように思いました。アメリカの「ベトナム戦争」を他国の事として許してしまった、見ぬふりをしてしまった世界中が、今新たな戦争に巻き込まれようとしているのです。
あの日、ケネディーが殺されなかったら?今この世界はどう違っていたのかと思わずにはいられませんでした。
「問題になっていることに沈黙するようになったとき、我々の命は終わりに向かい始める。」 キング牧師の言葉を、胸に刻む今年の最後の月です。この年が、日本の最後の平和に見えた年にならないよう祈ります。
気ぜわしい時期には、意識して気を下げる「頭寒足熱」の状態を作りましょう。
冬は身体が引き締まりうち裡の力を蓄える時期です。骨盤の弾力を保持し、丹田に気をおろし自身の内側をじっくり観て内実を促すのに適した時期です。冥想をお勧めします。
冬の養生法は、冷えによる乾きの対策、水分をちびちび取り入れる事と、眼(神経系)を弛める、首をゆるめる等です。胸を広げ、マフラーなどの活用で首や胸元を冷やさない工夫が大切です。
冷たい風を正面から受けないよう気をつけましょう。冷えの害を最も受けるのは腎臓です。足裏は腎の急所です足を冷やさない事も大事です。教室ではさか立ちに挑戦です。
2015年 11月号
山々が色づき、最も綺麗な時期を向かえました。5月の新緑と、秋の紅葉は、日本人で良かったと思える大好きな季節です。
私たち日本人の感性を育ててくれるのに無くてはならない里山の自然、勿論生態系を維持するにも重要な里山の自然です。大事に守っていかなければと思います。
ところで、人生の秋盤に入っている母が暮す老人ホームへほぼ毎日通い続けている日々の中でふっと考えることがあります。
色々な人生を歩んで来られた方々が、どの様なご縁で秋盤をここで共に暮らすようになっているのか、其々がその思いをどのように表現して暮らしているのか、其々の人生で身につけてきた物は、どういった形で活かされているのか等々、結局は自分に置き換えている状況なのでしょうが、何色になる可能性を秘めて、どの方向を向いて暮らしている自分だろう?どんな葉をつけ山全体の中で何色に染まろうとしている自分なのか?
自分も秋盤。まだ終盤ではないところに、変化できる可能性を見いだして、先輩たちの日常を見せてもらいながら考えている日々です。
あっと驚かせるほどに鮮やかな色でなくても良い。少しは緑も残して枯れかけている所は綺麗なオレンジ色で、ちょっと渋めの、等々。年の重ね方に気が行っている昨今。
綺麗な紅葉を作るのは気温差です。朝夕の気温がぐっと下がる時期、冷えと乾きによる水分不足が、体液循環に影響を与えます。この時期に水分をうまく取り込める身体にすることが、皮膚や粘膜、血流を整えるために必要なことです。
11月は脳溢血が最も多くなる時期と云われています。水が足りないと血液は濃度を増し流れが悪くなり血圧が上がり、頭への血行不良を起こします。頸椎1,2番は脳の血行に直接対応しています。
首を冷やさず、いつも柔らかく自由に動くようにしておきましょう。ちなみに、頸椎2番が右に曲がると頭の血が下がりにくく頭痛や脳溢血、左に曲がると頭に血が行かなくなり、脳貧血、めまい、脳軟化を引き起こします。
血液濃度が上がると同じ状態で心臓にも影響します。
粘膜系の影響は眼にも現れます、目が乾くと頭が疲れます。頭が疲れると首が硬くなり自律神経のバランスが崩れます。
うまく水分補給することで皮膚や筋肉の弾力を保ち粘膜系を整え瑞々しい身体をキープしましょう。
2015年 10月号
8月の末から約ひと月北海道に居りました。
気候の変化は一足飛びに秋。身体はそれに何とか適応したものの大阪に戻ってからの10度の気温差や蒸し暑さに辛い日々を過ごしているこの2~3日です。
身体は2~3週間ぐらい季節を先取りして変化していると云われていますが、この逆戻り現象にはどのように対応してくれるのか、観察してみようと思います。
10月は一気に冷えが来る時期ですが、身体の冷え現象は気温の低さでは無く、予期せぬ温度差に体が適応できないための変動です。
骨盤や足首が緩んでいると身体は冷えます。足首、骨盤を引き締め、腎臓の急所である側腹を緩めておくことで、冷えと捻じれを取っておきます。
感性が研ぎ澄まされ、気が充満する時期でもあります。いわゆる結実の時です。
内なるイノチの働きを感じ感謝し、身体と精神を整えるのに適した季節。
深い呼吸を意識し生活の中から冥想できる身体と心を作り上げていくのに適した季節をゆったり愉しめたら良いですね。きっと、いのちに対する信頼感が増すことでしょう。
2015年 9月号
「私には死生観がありません」とはっきりおっしゃるのは、「103歳になってわかったこと」という本を書かれた篠田桃紅さんです。
「生死についてはいくら考えても解らない、自然の計らいによるところの問題であり人の領域を超えたところにあるものと捉えている」と。
人事を超えたところの問題と人事を尽くして解決する問題との識別がとても端的な言葉ですっきりと伝わってくる感覚に、真摯で深思に生きていらした方なのだという尊敬の念が生まれました。
『最後心』、一期一会の世の中において、最後心で全ての事に当たるというヨガの教えを思いました。その中でのお任せの心、諦めるのではなく精一杯やり遂げた先のお任せ。
中途半端な状態で都合よくお任せになっている日常ではないかと反省させられた刺激でした。
仕事も、遊びも、人間関係も、自分との向き合い方も全てにおいて、全身全霊で全力で当たるという事は相当に難しい事ですが、思いの中にそこを持っているのとそうでないのとでは雲泥の差があります。目指したい生き方です。
日ごろ、ゆる~い私ゆえの思いでしょうか。
朝夕は少し過ごしやすくなりますが、夏の疲れが出る時期です。汗の内攻に気を付けて、足裏やふくらはぎを冷やさないようにしましょう。足裏は腎臓、ふくらはぎは胃や生殖器の関係です。肺は大腸や皮膚とも関係があり下痢や湿疹なども呼吸器の働きの問題です。
この時期に、足がつる、鼻水、鼻づまり、喉、耳が痛い、寝違い、ぎっくり腰なども汗の内攻現象で起こります。汗の処理をし、内攻した汗は足湯や、頸の温湿布、腰湯などで整えましょう。
2015年 8月号
全ての生物は余計なことをしなければ、生まれた時に備わっている能力で自ずと健康に生きて行けるようになっています。これらは自然治癒力や自然良能力を最大発揮し問題が起きた時に体が勝手に治ろうとする働きをもっているからです。
「症状即療法」という言葉もあり、悪い物を食べて吐く等と云うのは最もその典型です。
ところが最近はこの吐くことを止める薬を飲むとか、季節の変わり目に調整として風邪症状がおきるのを薬や注射で止めるなど、身体の能力を無視した治療と云われることをすることで、我々の内在する能力を打ち消している事が多いように思います。
癌や脳溢血になる人の多くが何年も風邪をひいていなかったということを耳にします。何処か体感覚を鈍らせてしまっているのだろうと思います。
軽く風邪をひくことで身体の調整がなされたり、要らないものが入ってくると吐いたり下痢をしたりと、自然治癒力を高めるために大切なことは、どうやって病気にならないようにするのか、病気になったらどう治療するのかという事にばかり心を奪われるのではなく、今自分はどのような状態なのかを「感じる」力を高めることです。
健康とは「敏感な感受性」です。症状を押さえるのではなく、身体の能力に任せて症状を経過させる。そのイノチへの信頼がその人の健康度に繋がるのではないかと思います。
暑い夏です、汗は体温調整に欠かせない作用です。汗からでしか排泄されにくい老廃物もあるようです。汗もかけないほど冷えきった状態の中で、夏の冷え対策を講じなければならない職場環境もあるようですが、出来るだけ自然に沿った生活の中で健康度を高める工夫をしてみましょう。
一度出た汗を引っ込めてしまう汗の内攻現象は色々な問題を起こします。首の温湿布で、汗の内攻を防ぎましょう。
朝、熱めのお風呂にさっと入るのも、寝ている間の汗の内攻を防ぎます。大股に歩いて、大腿後を伸ばし、呼吸器の働きをたかめます。クーラーの風を後ろから受けないようにし、自律神経のバランスを崩さないよう気をつけます。
2015年 7月号
「人権の喪失が起こるのは通常、人権として教えられる権利のどれかをうしなった時ではなく人間世界における足場を失った時のみである。この足場によってのみ人間はそもそも諸権利を持ちうるのである。この足場こそ人間の意見が重みをもち、その行為が意味を持つための条件をなしている。自分がうまれ落ちた共同体への帰属がもはや自明ではなく絶縁がもはや選択の問題ではなくなった時……」
これは、ハンナ・アーレントが「全体主義の起源2」という本の中に書かれたとされる一節です。
「あん」という映画を観ました。観ながらこのことを思いました。
アーレントは政治という体制の中での人権の喪失(生まれ育った祖国からの迫害、逃避)を言っているのですが、映画を見て、ハンセン病という病気の扱い方(国家的な)で人権を奪われた(家族からも共同体からも捨てられた)人々の「足場」について考えました。
人間世界における足場と云うのは命への信頼そのものであると思いますが、その信頼を持てなくなるような親や兄弟との関係性の中で、現実の中での事実を「事実だ」とだけ認め受け入れ、「自分は生まれてきても良かったのだ」と命への信頼を確たるものとして捉えていけるようになった老婆。
老婆がみせる生きとし生ける物すべてに対する愛おしみの心がこの上なく尊く思えました。
「イノチへの信頼」の上に、自分の思いや行動全てが成りたっているという事に気づき、確たる信頼の上に立った生き方が出来る時、我々は喜びに満ち、万物に感謝できる至福への道が開けるのではないでしょうか。
いよいよ陽気が最も盛んになる夏です。積極的に身体を動かし汗をかき皮膚呼吸を盛んにしましょう。
水分補給は大事ですが飲みすぎると腎が疲れます。夏は熱いお茶や白湯、梅干し湯などで、塩分水分を補給しましょう。小食が夏の健康法になります。
暑さが辛い時は頭頂部を冷やすと暑さが抜けます。くれぐれも首を冷やさないようにしてください。脚裏筋肉座骨周辺の伸展、下肢第7調律点が今月の調整点です。
2015年 6月号
「身体の問題は心から、心の問題は身体から変化させていく。」ヨガの智慧です。
解っていてもなかなか実践できずに、ぐずぐずしている自分に気が付くことがあります。
先日、男性の会員さんがとてもすっきりとして、お肌がぴかぴかになっていました。
連休を利用して断食合宿に参加してきたとのことでした。内側の毒素が全部抜けたような爽やかさに、ふっと、自分は気分がよど澱んでいる事に気が付きました。
勿論、原因は自分が作り出している事だと解っていても、その澱んだ気分を変化させるのに、いろいろ考え込んで、堂々巡りを始めていました。
そんな最中だったので、これだと思い、早速断食を始めてみました。完全には2日、前後を入れて3日間でしたが、嘘のように、拘(こだわ)りがはずれてとてもすっきりしました。ヨガは実践を通して体感するのが一番と思い知りました。
頭で、色々こ捏ねくり回せば、さほどの問題でもない事が、どんどん大きくなって、枝葉の方に気が云ってしまうという間違いを、「入れることを止める。」「取りこむ事に拘らない」
それだけのことで、修正出来てしまいました。「取り込むより、捨てる」そうです完全リセットできました。
「捨てたらいいんや~」そんな気分です。捨てたら、必要なものが入ってくるのです。
今頃の時期は、断食もしやすい時ですから、ぜひ 一度、週末断食、一日食べ忘れ断食等、軽い所からお試しください。もちろん、注意事項等アドバイスさせて頂きます。
時期的にも、ため込んだ物を排泄する時です。湿度が高くなると体内の水循環が滞って皮膚呼吸が停滞し、呼吸器の負担が増大します。梅雨に向けて排泄力を高めておけば、ジメジメとした季節も、さわやかに過ごせることでしょう。
肋骨の開閉運動、足をよく使う事や、肝臓部を刺激し、呼吸器を活性化させる強い呼吸法などを入れていきます。発汗誘導はD5.6で調整して行きます。
2015年 5月号
ボイスヨガが、ラジオで取り上げられ、皆様にもメールでラジオの放送状況を聞いて頂きました。そのラジオ局の前にも他局から電話で長々とインタビューされ、最終的には東京の生徒を紹介し、あちらが知りたいという事にその方が生番組で答えるという番組がありました。
ボイスヨガが取り上げられることはうれしい事ですが、表に出される形を見れば何か違うと云わざるを得ません。
そうです、世の中の取り上げ方や、求め方には、思想と理念が欠けているのです。
声を追及する、ヨガを追及するというのは、ただ、声を出せればよいとか、ポーズが出来るようになれば、こんな良い事(効果)がありますよ、なんて、単純なことではないのです。
実際に体験すれば解るように、そこには効果がどうのこうのなど必要のない気持ち良さが存在します。心も、身体も勝手に整うのです。これこそが哲学的理念です。本来のイノチの喜びが喚起され目先の効果がどうの等という事は必要のない事なのです。
「創始者は、はっきりとした思想を持って、理念を追及するところから生み出した型である」ということを外してしまっては、ホンモノは伝わらないと思います。
自分のボイスヨガを作り出した木村先生は、四六時中、寝ても覚めても、未だ研究中です。
「自分の生命を信頼するからこそ生れ出る声がある」と、それだからこそ、バロメーターになるのは「気持ち良さ」でしかないのだろうと。側にいる私には、まねっこでは伝えられないとはっきりわかります。
自分の中で確信できたことだけ、理念を外さず伝えられたら良いなと感じています。
先月教室で「樹の気」という動きを使わせて頂きました。昔、沖先生の直近におられた先生から教えて頂いた行法です。
その先生にその旨、報告させて頂きましたら、沖先生が直接おっしゃったという教えをプリントして下さいました。ただ、ポーズとして「樹の気」を捉えるのではなく、イノチの喜びをその中に見出せるような沖ヨガの真理をその中に体現しなければと、改めて感じた次第です。
ヨガがサプリヨガ的になってしまっているのは、そこに哲学性がないからではないでしょうか。
今月は、腹部第5調律点を整え、肝臓の解毒作用を助けます。
呼吸器の弱い人は、皮膚が肩代わりして皮膚からの毒素排泄が旺盛になります。湿気が多くなってくる頃には胸椎7,9,10が調整点です。脇、側腹体側線と胸筋を整えます。
2015年 4月号
三寒四温とは言いますが、今年の春先は寒暖の差が大きく、いつまでもダウンコートを手放せないでいました。
それでも陽の光は日ごと春めいて、草花や木々たちはちゃんと時期を計り、自分のイノチをここぞとばかりに開かせてくれます。
近所の街路樹辛夷(こぶし)の花も気温が20度になった日に一斉に花開きました。
我々の内なるイノチの働きも間違うことなく、春の身体になり内側から気分を変え、身体の動きを、感性を変えて対応してくれています。弾む身体について行けるような呼吸と心を意識して、胸を開き気分を解放して最も性のエネルギーが高まるこの時期にこそ、そのエネルギーを万物への愛のエネルギーに変換させて、生かし合いの心を高めたいと思います。
政治を見てもやりたい放題の勝手、社会のニュースを見ても痛ましい事件の背景に見える自分勝手な思い。ヘイトスピーチなどに及んでは何故そこまで排他的になれるのか、悲しい気持ちになってしまいます。
誰の中にでもあるはずの「良い思い」「他を思いやる心」「愛の心」を育てていき、本来の正しい感性を取り戻さなければ、なにか恐ろしい物に覆われて、その覆いの中で何かが壊されていくような怖ささえ感じる昨今の風潮です。
不平、不足、不満、そんな心は、身体と呼吸と、想念を変えて吹き飛ばしましょう。
思いっきり、胸を解放し、体中に春の陽の気を充満させましょう。
飛べる身体を作って、思いっきりジャンプして、青くひろ~い空をつかみましょう。ただし、着地の仕方は大事です。
骨盤が開いて上がり、行動力を生みだす身体の状態です。
冬の間にため込んだ不要なものが排泄されます。肝を養う青いもの、野草、山菜等を取りいれ排泄力を高めましょう。
この時期の下痢は身体の掃除と捉えても良いでしょう。骨盤が開ききらなければぎっくり腰をひきおこします。
花粉症状態は肩甲骨内縁を弛めることで対応します。頭蓋骨が開かないとイライラします。身体は賢いのです。色々と信号を送り現状を教えてくれます。信号無視せずに身体の声を聴ける感覚を身につけましょう。
采佳ヨガでは、合蹠体操、腹部操法、胸を開く動き、四股立(重心下げる動き色々)を入れていきます。
2015年 3月号
1月末に飛蚊症状態になり、眼科で検査をしました。60才過ぎてからの眼の異常は緑内障などの危険も考えられると聞いていたので、すぐに受診した訳です。
幸い何事も無く安心しましたが、視野検査というのを初めて受けて、とても脳が疲れるのを実感しました。中心にある光に集中していて、その周り四方八方に次々に現れる明かりを認識していくというものです。
お医者さんが 『視野は広いです。問題ありません。この場合の視野が広いというのは、一般に云われている、心が広いとかいう意味の視野ではありません…… 云々』
長々と、云うのです。しかも真顔で。
当たり前でしょ~~~!!なんで? 本当に視野の意味が解らないと思ったのかしら? 冗談のつもりなのか、本気で説明しているのか解らない?? 雰囲気にちょっと気分がパニクリました。
「視野が広い」って、考えてみました。
おもしろい例があり、「俗人」というのは谷にすんでいる人と書く、狭い空間の中で見聞きしている人のことで、閉鎖的で視野が狭い。その為不安が付きまとう。
「仙人」というのは、山の上に住む人と字の如く、四方八方広く見渡せるため、不安がない。視野が広い。という説を読んで納得。広い視野で物事を捉えられるというのは判断材料も豊富で、不安を解消できる問題解決が出来るということですね。
「不安」の出どころは、「知らない。どうなるか解らないから心配。」なのですね、いつも不安を抱えて暮らすというのは、先が読めないからなのでしょう。
ヨガの教えですが「最後心」で、常時「精一杯全力」で、
「今この瞬間を大事に生きて」さえいれば、不安を抱える必要も、先を案ずる必要もないということです。
但し、今起こっている色々な状況を把握して、あぶない状況が懸念される場合は、どの様な問題に発展するのかを正しく判断し、問題解決の道を選ばねば、取り返しのつかない事が起こるという不安はあります。
まさしく、この国の現状のように、不安要素を沢山内包している事には、問題提起して行く事が不安を解消できる道でしょう。
春は名のみの風の寒さよ~♪ですが、身体は、頭蓋骨から順に開いてきています骨盤は開いて上がるという時期ですから行動力が出てくる、気分が解放的になってくる季節です。
新しい事を始めたくなるのも春の身体のなせる業です。ジャンプ出来る身体の状態を利用して自分の行動範囲を広げてみましょう。
骨盤を整える。呼吸器のつまりを取る。排泄作用を高める。為のレッスンをして行きます。コブラ、ウットカータアサナ、英雄のポーズ、胸を開く動き等を入れていきます。
2015年 2月号
先日相撲中継で、白鵬と稀勢の里戦をたまたま見た。軍配は白鳳に上がったが、物言いがつき取り直し。見ている私には同時のようで判断がつかず、取り直しという方法があることに妙に納得しました。
どちらがどうと決めるのは難しい場面。ビデオで決着というのも味気ない。曖昧なことを処理する方法が日本には昔から色々な場面であったように思います。
しかし、戦後の教育制度の中で育った我々は、この曖昧はどんどん減り「正誤」という白黒はっきりさせるという状況が増えてきて、今やほとんどの事が正しいか誤っているかという尺度で決められてしまいます。
そして教育の賜物か、我々は「正しい」という言葉に弱い。非常に弱いのです。
外部的尺度で判断するなら、「正誤」は必要なことでしょう。しかし内部感覚が納得しない場面も多々あります。この、尺度の違いを混同しない事が必要ですね。
こうすることが正しい、けれどしたくない。行くべき(行く事が正しい)だけれど行きたくない。そんな時、貴方ならどうしますか?
私は行動基準がいつも動物的で、感覚に従う事が、歳と共に増えてきたように思います。
その動物的感が、自分の都合だったり、癖づいた感覚(全くの自己本位)だったりせず、イノチの声に従える様な感性だったら、本質を間違わないのでしょう。
「イノチは間違わない」のですから。自分の行動や、思考をチェックし、イノチの声を聴ける感性を磨くには、身体を相手にするのが近道です。何しろ身体は賢いのです。まず身体感覚を調え、イノチの側からの「正しさ」を掴みたいです。
(余談ですが、行司さんの軍配は実は正しかったようです。身体が勝手に判断し軍配を上げたのでしょうね。素晴らしい!!と思いました。)
例年ならわが家のベランダで梅のつぼみが沢山ついているはずの2月ですが今年はまだつぼみになっていない寒い年です。
それでも身体は春への準備を始める時期です。2月から3月にかけては、後頭骨から順に身体が開いていく時期です。
開くとともに不要物がどんどん出てきます。花粉症、鼻水、目のかゆみ等は水分を取って粘膜を保護してやることで緩和します。3月中ごろまでは水分を取る事が養生に繋がります。
2015年 1月号
新たなる年の始め今年もよろしくお願い致します。
はじめに言葉ありき。言葉は神と共にあり、
言葉は神であった。
言葉は神と共にあった。
万物は言葉によって成り、言葉によらず成ったものは
ひとつもなかった。
言葉の内に命があり、命は人を照らす光であった。
(『新約聖書』「ヨハネの福音書)より)
クリスチャンではない私ですが、「はじめに言葉ありき」あたりまえのように耳に入っている言葉です。
あらためて言葉について考えてみました。人はふとしたひと言を発した時に、潜在意識の中にある思いが出てしまったのではないかと思わせる時があります。
言葉の力、「言霊」とも云われますが、我々はこの言葉に左右されている場面が多々あり、気が付くと、言葉通りになっていたという経験をどなたもお持ちではないかと思います。
そんな大事な言葉を、「嘘偽り」「言い訳」「泣き言」「おべんちゃら」ましてや「ヘイトスピーチ」等というとんでもない事に使われたくはありません。
悪意が無くても「売り言葉に買い言葉」、言葉で、ひどいことを言ったり言われたりで傷ついたときの胸の痛みは魂の傷に繋がり、深い部分に潜在してしまいます。
沢山ため込んでいる魂の傷を冥想によってひとつづつクリーニングして言葉の内にあるイノチの働きを高め、我がイノチの働きが人を照らす光になれますよう。
寒さが本格化するにつけ、身体は体温の発散をふせぐため身を縮めます。骨盤の開閉力の強い人は旨く身体を締める事が出来ますが、締める力の弱い人は肩や首に力を入れて身体を締めようとします。そうすると、上頸部、上胸部を固め頭への血行が悪くなります。
冬は頭に関係する眼、上肢、首、上胸部、アキレス、尾骨、胸鎖乳突筋、鎖骨窩などを整えておきます。上肢調律点は以前の「ヨガしましょう」に記載しています。
(2013年1月号 ヨガしましょう)
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