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周平の沖ヨガ読本(2)

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 - 自律神経 -   2012年10月号(No.157)

 生命は自らを維持するため、寝ているときでも休むことなく、呼吸や循環その他の生命維持の働きを続けています。

私たちの体の成り立ちを考えてみると、その生命維持の装置を動かすため、生命維持装置自身が手や足を生やして、移動し、餌を取り、食事を体に取り入れ、危険から身を守る。

そしてそれらを遂行するため、生命を守るために、確実に外界を把握するための頭脳や感覚器などを発達させたと考えることが出来ます。

 そして、この生命維持装置をコントロールしているのが自律神経であり、その元にあるのが四六時中休むことのない副交感神経系であり、それを維持したり危険から守ったりしているのが交感神経系であるという見方が出来ると思います。

 年老いて老化が進み運動能力が少しずつ衰えたとしても、生命維持の基になる働きそのものは本来簡単には衰えるものではないでしょう。

これは、どんな老木も毎年春に出す新芽は新しい若い芽であるということと同じことであり、生命は生きている限り欠けることがない、半分生きているとか病気の生命などということはないというヨガの生命哲学そのものです。

ですから、副交感神経系がいつも順調に働いていることが自然な状態であり、健康で気持ちの良い状態であるといえるでしょう。

 もちろん交感神経系が働かなければ生命を維持することはできなくなりますが、主体である副交感神経系が常に順調に働き、時に応じて交感神経系が強く働き、その時は一時的に副交感神経系の働きが少なくなるとはいえ、やはり呼吸や循環が途切れることが無いようにいつも順調に働き、そして交感神経系が働きを減らしていいときや必要のないときには充分に休んでいるというのが正常です。

ですから、副交感神経系と交感神経系には主従の関係があるといってもいいでしょう。

 刺激が少なく、体を充分に使って生きていた時代にはこのような働きがほとんどの人にとって自然にうまく働いていたはずですが、現代はこの主従の関係が逆転したような状態になっている人がとても多くなっているのではないでしょうか。

 いつも色々な欲に振り回され、あれもしなくちゃこれもしなくちゃと心が追われていつも緊張し、そのために交感神経系が常に過剰に働き、副交感神経系が順調に働くことが出来なくなっている人が多くなっているのです。

現代の病人の多さ、不調を訴える人の多さは偏にここから出発しているものと考えられます。

 不自然な生活が体の状態に影響し、それが心に影響し、またそれが呼吸に影響し、そしてそれがまた体に影響するという、不自然な循環を繰り返している現代人がこの悪循環から抜け出すためには、その循環の鎖をどこかで切る《切っ掛け》が必要です。

 食事を変えることがきっかけになる人、体操をすることがきっかけになる人、人生の転機、人との出会い、病気、そのほか色々なことがそのきっかけになり得ますが、どのような刺激であれ、新たな刺激を自分の糧にできる心の状態、受け取り方が大切です。

 心の問題、体の問題、呼吸の問題、これらを総合的に捉えて本来の姿に戻していくのがヨガですが、ヨガをして健康を取り戻す人が多いのは、ヨガをすることで自律神経の働きが本来の自然な状態をとり戻すということが一番の要因でしょう。

 沖ヨガでは《丹田に意識を置いて生きなさい》と教えています。これには多くの意味があると思いますが、自律神経という観点から見ると、丹田に意識を置くということは腹圧が高まり、横隔膜がよく働いた呼吸をし、太陽神経叢と呼ばれる副交感神経の多く集まる場所がよく働くようになるということです。

 もちろんここだけを働かせるということではなく、ここが勝手に働くような、そして他の場所も圧迫されず、自由に存分に働くことが出来るような体の状態、姿勢や呼吸をするということです。

 横隔膜が十分に大きく動く呼吸をするということ、深い呼吸をするということが大切です。

深い呼吸をするには肋骨が高く広がっていて横隔膜や内臓を押し上げ、肺の空気を押しだして吐きますが、吸い入れるときにも肋骨が高く広がっていないと、横隔膜や内臓が下がっても肺が陰圧になる程度が小さくなって十分に空気が入ってきません。

肋骨が高く広がっているほど横隔膜や内臓が大きく動くことができ、太陽神経叢が刺激を受け活発に働くことが出来るのです。

 肋骨が高く広がっている状態は元気で心が前向きな状態です。背骨が立ち、重力に負けず上下に体が伸び、そして丹田に力や意識を集める求心力を高め、和らいだ心と体の状態を維持できる能力を高める。

これが沖ヨガで大切にする体の使い方です。

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