もとはこちら(平井先生)

食の原点

(2004/8/1 和気愛会第65号掲載 平井謙次先生講和)

 今月号は和気愛会6・7月号の刹生(さっしょう)です。刹生とは、どれだけ深いものを持っているかを、禅の老師が若い雲水に確かめることです。ですから、是非とも前の号を併読されんことをお願いいたします。

 6・7月号を要約すれば、私達は何の必要があって、即ち、どんな原因と理由、目的をもってこの地球に生誕してきたのか、ということです。それとまた、自分には必ず両親があり、その両親にもまた両親があり、それがどこまで続くかと言えば、それは人間の小智才覚では解らないということです。その解らないということがシカと解り、同時に、自分が子を授かり、その子がまた子を授かり、それが未来に向かっていつまで続くのか、そのことにどれほどの意味や意図が秘められているのかということです。

 さて、過去にどんな過ごし方をしてきても、通ってきた道は一本道です。この歩んできた過去の道は絶対に変えることはできません。また、今歩んでいるこの道も一本道です。この先未来に続くであろう道は無数無限にあれど、通る道は、自分自身が自分の全責任で選んだ一本道なのです。今までどんな道を通ってきたかによって今の道が決まった様に、これから通る道も自分にとっては一番ふさわしい道の筈です。あなたはこの先どんな道を通りたいですか? その道を通るためには、いまこの生き方で良いのだろうかという事ですが、それはあなたが決める事です。

 自分の親を選んだのは自分です。そして授かった我が子を選んだのも自分です。この自分が、親を選び子を選び、そして自分が親から選ばれ、子からも選ばれたということは間違いありません。自分にとって分相応の一番ふさわしい親であり、子であります。そしてまた、無数にあるその中から、どんな配偶者を選び、選ばれたか、その答えも簡単です。その相手は自分にとって一番ふさわしい夫であり妻であります。

 自分が体験する全ての事は、それがどんな事であっても、その時の自分に一番ふさわしい事ばかりです。言いかえれば、自分にふさわしくない事など絶対に体験できないのです。見るもの聞くもの全て自分に一番ふさわしい事ばかりです。

 もしも自分を変えたいのであれば、今の想いを変える事です。言葉を変え、行動(生活、生き方)を変えることです。そして将来に向かっての具体的な希望を明確に持ち続ける事です。将来のことは、今何を持ち続けているかによって決まってきます。日常生活をする中にあっては、全ての事を肯定的に受け取り、感謝と謝意を表す、ありがとうの言葉とすみませんの言葉を欠かさないことです。そして本当の自分を深く深く認識するよう努め、究極本来の自分は大宇宙と完全一体のものであり、万物同根同一体である事を見性し、現実の生活をしっかりと生きていく事です。そしてできるだけ正しい善事を人世の為に表現することが嬉しくて嬉しくて・・・という生活を常に心掛けることです。そうでなくては、折角生誕した甲斐がないというようなことが、前号2回の大要でした。

 さて前置きが長くなりました。ここから本論に入りますが、ここからは私の私見であり、賛否両論あれば非常に結構な事と思っております。先ず何事も疑いを持ってかからなければ本当の事も解らないだろうと思うからです。

 結論から言わせてもらえば、《食の原点》は水です。口から入る物の中で、無くてはならない物は水です。水分なくしては、何を食べても身に付きませんし、生命の維持も出来ません。水分不足は生命に深く影響を及ぼします。そしてこの水は、本来全ての基本である五大《空風火水地》の一つです。

 では空気はどうでしょうか。火、太陽そのものは汚れてはいませんが、空気の汚れが、地球に到達する光線に異変を起こさせているので、大海をも大地をも汚してしまっています。勿論汚した犯人は私達人間です。

 そういう事に気付き、反省をし、早く訂正をしなければ、何かがきっかけとなり、思いもしないような不吉な大事が起こるのではないかと危惧する昨今です。

 さてこの水は、口から入るものの中で一番陰性の物です。ですから陽性の人は水を好みますが、陰性の人は好みません。人間は誰でも陽性の要素と陰性の要素の両方を持っています。どちらが善くてどちらが悪いという事はありません。陰あっての陽ですし、陽あっての陰です。陽性の極みは太陽であり、陰性の極みは月です。太陽あっての月ですし、月あっての太陽です。どちらも単独では成立しません。

 私のことを少し書きます。

私の心臓は、もう60年間も重度の病の状態です。その上、全身的な不治の病と同居しての人生を送らせて頂いておりますので、ちょっとでも動きすぎると、必ずといつて良いほど体の中に水が溜まってしまい、浮腫んでしまいます。こんな時は体重も1~2キロ増えてしまい、血圧も上昇し、動きも緩慢になります。こんな陰性の私ですが、夏は毎日井戸水に、そして冬は水道水に全身スッポリと浸かるという事を心に誓い、1日1回以上入るということを休まず毎日実行しました。その上、毎朝起き掛けに冷たい生水を200CCから、多い時には600CCくらい飲む事にしました。これを始めて1週間か2週間経過した頃より、水風呂の前に立つだけで身震いがし、時には吐き気さえ、もよおしたものでしたが、10年経過した頃より、「だんだん気持ちが良いなあ」と実感するようになりました。そして今では、冷たい生水も水風呂も無くてはならないわたしの好物、必需品となっております。

 なぜあえてわざわざこのような事を書いたのかという事ですが、それは私の好きな言葉に《陰には 陰をもって 陽となせ》というのがあるからです。これは、陰性の私が、陰性の冷水浴を続けたり、冷たい生水を飲み続けることにより、嫌でしかたのなかった水を、本当に気持ちがいいと感じるようになり、心の底から喜んで水と仲良く出来る様になったからです。

 この事から解ることは、水風呂を始める前に比べれば、今の方がずっと陽性度が増したという事でしょう。そしてまた、高血圧の為、3種類の降圧剤を使っておりましたが、リバウンドに気を付けながら今では全部止めてしまい、120くらいの血圧を保っています。

 最後になりますが、《食》の結論は、皆さん、もっともっと水と仲良しになり大好きになり、清浄して頂きたいという事です。そしてたまには半断食でも宜しいから、実施して胃腸を休ませてあげて下さい。そうすればより健康になり、元気になり、それまでどれほど嫌いで食べられなかったものも、本当においしく心から喜んで頂けるようになれます。そうなれば、今までおいしいと思っていた外食産業の物よりも、お家で家族の健康を気遣いながら作ってくれるお母さんの平凡な手料理の方が何倍もおいしいということを再発見するはずです。家族の仲も一段と良くなり、もっともっと仕合せになれるのです。

 しかし、お家のご飯がどれほど美味しくても食べ過ぎは禁物です。腹8分でもまだ食べ過ぎです。《腹4分に医者いらず》と心掛けて下さい。お腹が空いて食欲のある時に、よく噛んで心楽しく頂き、もうちょっと食べたいという時に箸を置くことが出来れば、何を食べても血となり肉となるでしょう。《何を食べようと思い煩うこと無かれ》という言葉の真髄も解ろうと言うものです。

 最後に私の好きな言葉を幾つか記しておきます。

*忍耐は100戦して100勝するにも勝る宝なり

*嫌いな事に出合ったら、どの様にして好きになるかを工夫せよ

*1日1回は神仏の食 2回は人間の食 3回以上は獣の食

*1週間の断食は血を(きよ)め、2週間の断食は心を(きよ)め、3週間の断食は魂を(きよ)める

今日はこれにて失礼します。

私の拙い文章を善意をもってお読み頂き、ありがとうございました。
皆様の何らかのお役に立てれば、とても嬉しいです。

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