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NVY-semi-5

ナチュラル ヴォイス ヨガ -5


   上下伸び   2011年1月号

 去年の2月号では体感空間は心の状態であること、3月号ではその実際的感じ方について、4月号では老人と老人化について、8月号では体感空間を観察する自分についてと、4回書きました。今年も紙面が許す限り連載します。

 声の出し方も身体の使い方も基本は同じです。力のこもるべきところに力がこもり、抜けるべきところが抜けてはじめて安定した無理のない使い方ができます。

 当然ながら、四足の動物と人間では力の入り方が違います。四足では、ネコのポーズのように、鎖の両端を持ってぶら下げるように背骨の力を抜くことが出来ますが、背骨を起こして立てている状態ではそんなシンプルな力の抜き方はできません。

背骨がS字カーブを描いている状態がリラックスした良い使い方ですが、これを意識してS字にしてやろうなどと思ってもうまく行くものではありません。

お腹に力がこもり上体の力が抜けている、いわゆる上虚下実の状態のとき自ずとそうなるのです。

 上虚下実が身についている人なら、今姿勢が良くないなと思ったとき、少し意識するだけで、例えばお腹に意識を置いたり肩の力を抜くだけで全身が連動して正しい体の使い方に戻ることが出来ます。

しかしそう簡単にはいかない方も多いのです。正しい姿勢は生命の声を聞けばつかみ取れるはずのものではありますが、多くの問題を持つ場合は複雑なパズルのようにどこからアプローチしたら良いかさえ分からないものなのです。

 でもそれをつかむためのコツはあります。すべてのことに当てはまりますが、土台があやふやだとその上の組み立て方はもっとあやふやになったり無理がかかったりします。

土台になる足元や骨盤が安定してよい角度を保つことが出来ればずっとずっと正しい姿勢をつかみやすくなるのです。

 また、上に伸びる下に伸びるというような全身的な力の込め方のイメージを使っても分かりやすいのです。

 骨盤の左右や捻じれの歪みが少ないという前提でお話しますが、骨盤の前後の倒れ方の角度が正しく安定していればその上に乗る背骨も楽に安定することが出来るのです。これは立っている場合でも座っている場合でも同じです。

 座っている場合は正しい骨盤の角度を見つけるだけでも安定しやすくなりますが、立っている場合は骨盤の下にある脚がその土台になりますから、その使い方が大きく影響して難しくなります。

 ここで骨盤の角度についてお話しますが、腰が前に押し出されてお尻が後ろに出るような骨盤の使い方を「骨盤を前に倒す」と表現し、お腹がへこんで恥骨が前に出るような使い方を「骨盤を後ろに倒す」と表現します。

 この倒れ方が問題なのですが、これは決して固定的なものではなく、測って正しい角度に合わせればよいというものではありません。

 それでは実際に試してみましょう。

①まず立った状態で大きな伸びをします。両手を上に伸ばして天を見て、足先の方に重心を置き、お腹が充分に伸びるように、あ~~ と全身で伸びます。
 このとき腰が前に押し出され、恥骨が後に引け、尾骶骨が後に向いて骨盤が前に倒れます。

 今度は骨盤が後に倒れる使い方をやってみましょう。
②右足に重心をかけて休みの姿勢で立ち、重心をかけた右足裏で床を押して左の腸骨を持ち上げます。右足を下に押すときに、右手を上に伸ばすとこの動きが分かりやすくなります。このとき左足は浮き加減になり、骨盤が右に傾きます。床を押す力を抜いて元の右足に乗った休めになると腸骨も元に戻ります。

 これを何度か繰り返して右脚全体で床を押す感覚を憶え、反対の左脚でも同じようにやって感覚を憶えます。

 次に、両足を腰幅以下の広さで、左右均等に重心をかけて立ち、今憶えた感覚のまま両足同時に床を押します。そうすると尾骶骨が前に向き、恥骨が前に出て骨盤が後に倒れます。

 この①②の二つの動き、骨盤が前に倒れる働きと後に倒れる働きがうまく拮抗しているときに骨盤の前後の倒れ方の固定的でない良い角度が維持できます。

 これは骨盤の角度としても、また上に伸びる働きと下に伸びる働きのバランスとしても捉えることが出来ます。上下に伸びる働きがあれば前後にも左右にも伸びて拡がる働きが生れます。

 最後に①②を同時にやってバランスをとります。

③手を目いっぱい上に伸ばすのではなく、ホールドアップ!といわれて手を挙げるときくらいの高さに挙げ、両足も目いっぱい床に向かって伸ばすのではなく、どちらも半分くらいの力で押すとバランスをとりやすくなります。肩を下げて首の力を抜き、頭の天辺を天に向けて伸ばします。

 この上に伸びる力と下に伸びる力の感覚のバランスがとれると足腰に力がこもり上体の力が抜け、腹圧が高くなるのを感じることができるでしょう。肛門も勝手に締まってきます。いつのまにか良い背骨の湾曲(S字カーブ)ができるような骨盤の角度になり、上虚下実の状態が生れ、また体感空間も拡がりよい声が出てくるのです。

 以前に書いたことのある「足裏まわし」がこの方法でうまくいく人が多いのでここに紹介しました。次回はこの上下伸びをしてからの足裏回しをやってみましょう。


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