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ナチュラル ヴォイス ヨガ 1



   体感空間=心の状態=体の状態   2010年2月号

 今回は歌声など、より難しい声の出し方でどのような問題が生じるのかについてお話しましょう。

声は自分自身そのものです。心身の状態がそのまま表れます。

もって生まれた性質、身につけた心や体の癖、そしてそのときの心の動きなどで、働きやすいところや働きにくいところができ、それが声を特徴づけます。

これは「その人の状態に応じたそれなりの声が出ている。」ということですが、それは何かすることでもっと良いバランスの状態を生み出すことが出来るということです。

心の動機があり、それが呼吸になり、それが喉で声に変換されるというプロセスで声が出ている、というといかにも機械的に感じますが、生身の体から出る声は機械のボリュームを上げるように息だけを強くするとか、鍵盤の高いところを押すように音程だけ上げるとか、というような単独の操作ができません。

それは体・喉・呼吸がそれぞれにバランスのとれた使い方ができており、またそれに加えて、その三者の相互のバランスがとれていてこそ初めてうまく声が出るものだからです。

ですから当然、喉で声が作られているにもかかわらず、喉の操作だけで声を操ることは出来きないのです。

 話し声でも歌声でも、喉や体が必要に応じて変化しています。

楽な話し声であれば特に意識せずともある程度バランスを保つことが出来るのですが、歌の場合はもっと難しくなります。

音程の高低、強弱、一つのフレーズを長く伸ばすための長い息など、色々なことが要求されます。

しかしその要求に喉が応えようとしても、呼吸や体との連携がうまく出来なければ、思うように楽には声が出ず、本人もそれを聞く人も苦しさを覚えます。

これは、強弱や抑揚の変化を喉で調節をしようとし、その喉の変化に対して呼吸の調節でバランスをとろうとするため、呼吸が乱れて苦しくなっているのです。

 この状態は自分の感じている体感空間を狭めたり歪(いびつ)にしている状態なのです。

 これまでもこの体感空間という言葉を私はよく使ってきており、それを体内空間と体外空間の二つに分けてお話していますが、このことについてもう少し詳しく説明をしてみましょう。

 息を吸ったとき、お腹や胸や背中などに息が入って出来る「ふくらみのように感じられる体の中の空間」を「体内空間」と呼んでいます。

そしてその空間を生み出している体の働きがその部分に留まらず、全身が協力して、それが自分の外の空間での気の流れや広がりとして感じられるとき、その広がった空間を「体外空間」と呼んでいます。

 辞書で調べると心理学の用語で「空間知覚」という言葉がありました。「空間または拡がりを視覚・聴覚・触覚・運動感覚などの感覚系を通して知覚すること」とありましたが、心身の使い方によって生じるこのような感覚に準ずるイメージを体感空間と呼んでいます。

 山の頂上から周りを見渡すと心が拡がり、豊かさや清々しさ、こだわりや制約のない自由な感覚が心に生じ、体の使い方も血液の状態までも変えていきます。

そのような状況をイメージすることでやはり、体の使い方や心の使い方を変えることができます。

また、心が広い、懐が大きい、肝っ玉が太い、希望に胸が膨らむ、というような言葉で表現されるように、この体感空間はごく当たり前に誰もが日常的に直感的に捉えているものです。

これをより全身的な広く大きい使い方にしていくことで、前後・左右・上下と、捉えている空間のイメージを反映して心の状態が変わり、声の音色も変わります。

ですから、体感空間を大きく広くすることで、より自由な感じで声を出したりその他の活動をすることができます。

 体感空間の広がりは、心や体の豊かさの状態そのものですから、難しいパターンを歌うために喉で調節をしようとすると、喉の変化のために大きく広い体感空間が狭くなったり歪になったりつぶれてしまい、心の豊かさを失うことになるのです。

 反対に、自分の豊かさを変化させずに相手に思いを伝えようとすれば、体感空間が変化せず、その空間に応じた喉の使い方が生じ、気持ちよく声を出すことが出来るのです。

このことを私は「喉は受身に働く」と表現しています。しかし、色々な状況下で体感空間の大きさや広さを維持するにはそれなりの体の使い方が要求されます。これを実現するために色々なイメージやボディワークを利用しています。

喉に意識を持っていかず、声の対象や空間に意識を置き、体がどんな動きに対しても安定できるような体勢を持っていれば、喉は必要に応じて変化し、声は楽に出るのです。

 呼吸の状態、喉の状態、心の状態、意識空間の状態、これらは心身の全体的な一つの状態を別々の切り口で見たものですが、私たちの意識としてはそれらが複雑に有機的にお互いが影響を与え合っているように見えます。

声を通してそれらの色々な切り口から自分の生きる姿を変えていこうとするのがナチュラル ヴォイス ヨガです。


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