自分らしく生きる生き方そのものが人を健康にする

NVY-intro20

ナチュラル ヴォイス ヨガ入門 20

   2015年9月号 (No.192)

先日8/23に東京小金井で行ったセミナー(自分と周囲を幸せにする力・研究所 辻騎志・倫乃愛夫妻主催)で配布したレジュメを手直しして紹介します。

伸びやかな声を出すには

 まず、身体がスックと伸びて、ドンと重心の下がった状態を求めます。

 これこそが体と呼吸、そして声にとって必要な大前提です。この上に、より精妙なバランス、求める声にとって必要な、身体、呼吸、声、そして心の働きを高めていきます。

土台になるこの状態は、心でいえば、のびのびと明るく、積極的であり、夢にあふれ、憧れに胸を膨らませている状態、ゆったりと安心し、不要な願い無理な願いを持たない何にも動じない安定した状態です。肋骨が高く引きあがり、爽やかな呼吸ができてこそのびのびと明るい心になり、のびのびと明るい声がでる。重心がド~ンと下がってこそゆったりとした心になり、広く深い声が出るのです。

 このような状態は理想であって現実からは遠いことでしょうか? 「もしこれができなければ、良い声にはなれないのですか?」という問いがあるなら、
「いやいや、そんなことはありません」という返答を期待されることでしょう。しかしそうはいきません。

 これは声に限らず、仕事、健康、人間関係、などなど 生きている全てのことにとっての基本であり目標なのです。そしてこの方法しかありません。伸びるための筋肉を持ち、それが麻痺していないなら、これを実現していくことしか、人生を喜びに満ちたものにする方法はないのです。それは「生命を生かす」という、生きている 一番あたりまえの状態を取り戻すこと、とても単純なことなのです。

 人間が多くの文化を得た代償として失ったかに見える生命の働きを取り戻す、いや一度だって失ったことがないからこそ生かされているのですから、今は逆らってしまっている生命の働きに対して、協力することを学ぶのです。野生の動物たちには当たり前のこの働きを体感して初めて、正しい体や心の状態を取り戻すことができる。そしてその上に人間的な、精妙で質の高い文化的生き方を構築していくのです。まずは動物としてあたりまえの立ち方や歩き方から覚え直すことから始めることが不可欠です。

 私たちの体や心の使い方は、生命の働きから見て間違っていることがとても多くあります。 姿勢が良くないというのもその一つです。しかし姿勢を良くしようとして背中は伸ばすけれど、反り腰になってしまうとか、顔が前に突き出るとか、なかなか一筋縄ではいきません。お腹の力が抜けたり、肩に力が入ったりと、基本的な使い方を間違うと、そこから正しい姿勢を見つけ出すことはとても難しくなります。

 土台が歪んでいれば上の建物も歪みます。そこで建物側で修正してその場限りのバランスを取ることはできますが、その建物をもっと高く伸ばそうとすると、また新たにバランスの修正を加えなければなりません。心も体も歪んだ土台の上にトレーニングを積み重ねると、やればやるほど無理が大きくなっていきますから、いつも土台から整えていく必要があるのです。

 幸い私たち生き物は、建物とちがって自動修復機能を具えています。自然治癒力とも呼ばれる生命力のことです。建物が載った土台を修正しようすれば、その建物の修復は大変な作業になりますが、生命はそこのところを柔軟に対処してくれ、土台が整った分、その上に積まれたところも楽になり、その分本来の位置に戻ることができ、よりよい生き方へとつなぐことができます。発声法はその最たるもので、本来の体の使い方、呼吸の使い方ができるようになれば、とたんに楽な声が出るようになりますし、またその上により良い声を積み上げることができるようになります。

 ここまでお話ししたことは、健康、心の安定など、生きるということの基本ですから、誰にとっても 「最重要、最優先課題」のはずなのです。しかし、 世の中の動きは決してそのようにはなっていません。

目先ばかりを追いかけ、うまくいかないことは人のせいにします。そのような世の中の動きから離れて生きる方はとても少数派です。物事を根本から総合的に捉え、それを実践するのがヨガです。しかしそのヨガはすでに、やせるためとか心を癒すためなどと、部分のノウハウに貶(おとし)められています。ヨガの面目はどこに行ったのかです。

 私は、このヨガの実践法の中に「声の働き」という 一つの切り口を入れることで、ヨガをもっと学びやすくできるということを見つけ、50年の実践の成果として皆さんにお伝えしています。

ただ声をよくするためのノウハウとしてナチュラル ヴォイス ヨガを使うこともできますが、できれば、人生をマルマル喜びに満ちたものにするために使っていただきたいと切に願います。

そして、このやりかたを研究実践し、より発展させてくれる方たちに伝えていきたいと考えています。

セミナーの場では声が変わり、呼吸が変わり、多くの方が 快さを感じますが、その意味について深い理解を持つ前に忘れてしまうことが多いようです。誘導されて生じた状態ではありますが、自分の中にある能力によるものであり、その能力を自分で自由にできる力の開発こそがその人に求められる、生きる基本の力であるのにです。

その上、自分だけで再現できるようになるには何度かの体験が必要なため、理解を得るまでに忘れてしまうようです。与えられた短い時間で、ある程度の声や呼吸の変化を体験していただけるようにはなってきましたが、もっともっとたくさんのことをおつたえできるよう、私の把握度を高めていかなければなりません。



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