自分らしく生きる生き方そのものが人を健康にする

NVY-intro17

ナチュラル ヴォイス ヨガ入門 17

   2015年6月号 (No.189)

今回は5月末の東京でのセミナーのために書いた、初めての方用の文を掲載します。

よい声、発声法について

 声は、もっと楽に出ないものか、もっといい声は出ないかと、プロやアマチュアそして誰にとっても程度の差こそあれ、その人なりに常に関心の的や研究の対象になる大きな課題です。

特別な理論を知らなくても、また専門のトレーナーについて習わなくても、朗々と歌い伸び伸びと良い声で話しをする人はたくさんいます。すばらしい声で歌う人が特に多い地域や民族もありますが、発声法を習わない彼らがどうしてそんな風に声を出すことができるのでしょう。

心や体が解放されていること、良い声を聴いて育つと良い声が出やすいということなど、色々な条件があることでしょう、しかし、理論がその良い声を生んだのでは決してないでしょう。

良い発声法という理論が自分の存在よりも先にあるのではなく、よい声が出ている状態を研究して、こんな出し方がいいあんな出し方がいいという理論を後から考えたものです。

その理論に従ってやれば誰でも良い声になるとしたら、それはきっと正しいことでしょう。しかし、人は千差万別ですから一律にはいかないものです。

発声法といわれる方法を習ってよくなる人もいれば全くうまくいかない人もいる。ひどい場合はかえっておかしな声になってしまう場合さえあります。

結論から言えば、良い発声法に自分を合わせることによって良い声が出たり、またその声でより良いコミュニケーションが図れるわけではないということです。

 自分の心や体があって、そして同じように心や体を持つ相手がいるからこそ声を出している。この関係性の中で起こるエネルギーのやり取りの一つが声であり、そのエネルギーが相手に与える影響、相手の感じ方そのものがその声の良否なのです。

相手が好ましいと感じられる関係性を生むような体と心の状態、そのような呼吸をいつもしていられるような自分になることが、良い声の持ち主になるということなのです。

 いかに無理のない、気持ちの良い呼吸で声を出すか、いかに伸び伸びとした自分を表現して、相手にもその気持ち良さを味わってもらうか、そこにかかっている。これが発声法の原点です。

 ですから、まずは自身が気持ち良い状態にいなければ良い声はありえません。心や体の全体的な働きを無視して、喉もとだけで声を操作して響きや大きさをを変えることはできますが、それでは声を出す本人も相手も、人間として生きている本来の喜びを引き出すことはできません。自分の抱えている本質的な問題の解決こそが声の解決につながっているのです。

同じ出すなら喜びに満ちた体の使い方、心の使い方、そしてそれを生み出す呼吸の在り方から紡ぎだされる良い声を求めると考え、人それぞれ、その人と声の関わりのなかで、深くも浅くも自分の求める深さで声とかかわればいいのではないでしょうか。

ヨガとナチュラル ヴォイス ヨガ

 ヨガのポーズをすることだけがヨガではありません。瞑想ばかりやる人たちもいれば、マントラを朝から晩まで唱えている人もいるし、奉仕の生活をすることそのものがヨガをすることである人たちもいます。

 正しい姿勢・正しい呼吸・正しい心の状態を自分のものにし、そこから最高の生き方を見つけることがヨガをするということであり、そのための方法は千差万別です。逆に言えば、「ヨガのポーズ」といわれる体操や「ヨガの呼吸法」をしてもそれだけではヨガをしているとは言えません。

 沖ヨガでは、ヨガをするということを以下のようにとらえます。それは、体・呼吸・心・生活・環境という包括的な観点から捉え、そして、哲学的・科学的・宗教的と、すべての面から実践し、生命の求める本来の自分の生き方を見つけ、自他ともに喜びに満ちた生き方ができるようになることを目指すということなのです。

 ヨガの求める、体と呼吸が最高に機能している状態、自分が気持ちの良い状態にあって出てくる声が最高に自分らしい声であり、自他が喜べる声です。

 話声であれ歌声であれ、自分が良い呼吸をすることができて初めて、自分も他の人も気持ち良くすることのできる声を出すことができます。それはうわべの変化ではなく全人的な変化であり、これこそがその人の魅力でもあります。

 観点を変えてみると、全身が協力する声を見つける、心と体のジレンマのない、そんな呼吸を声の出し方から見つけるということです。

 そして声を出す人の心身の状態がわかるバロメーターとしてその声そのものを使い、声の変化をたよりにして自分を変革していくのです。

 声の通り道をみつけ、それを養っていくことで、よりよい心身の使い方を見つけ、より良い生き方につなぐということです。

 ヨガは最高の自分を見つけ養うための方法であり、決してポーズをすることがヨガではありません。呼吸法や瞑想法も同じです。ヨガの本来の目的を実現するため、自分を変革するために、その目的に従って行動することをヨガをするというのです。

ただ、体・心・呼吸の秘密を自分の心身で解明しなくてはそれを実現することができないので、呼吸法や瞑想法が大切にされるのです。

ヨガをやっていく中でどのような道を選んでも、瞑想(冥想)は決して避けて通れない道です。これができるようになるための体と心を養っていきますが、ナチュラル ヴォイス ヨガもそれを実現する道の一つです。ここで紹介するのはいわゆる「ポーズのヨガ」ではない、「声を通して行うヨガ」へのアプローチです。

声は変革できる

 声は呼吸のエネルギーが変化したものですから、呼吸が変われば声も変わります。

 魔法使いのお婆さんを演じる声優さんは声をつぶしてしわがれた意地悪な声を出します。魔法使いのお婆さんというのはたいていは悪役で、背中が曲がり、心が狭く、自己中心です。要はこの反対をすればいいのです。背中をスックと伸ばし、心を広くし、寛容な深い呼吸を身に付ければいいのです。

 体の使い方と呼吸が同時に変わるようなやりかたをすると声は大きく変化します。これが母音メソッドの原理であり、面白いところです。

 自分の意識の持ち方や体の使い方で声が変わる、いや変えることができると思っている人は少ないのですが、体験してみればなるほどと思うことでしょう。普段の生活では自分の呼吸のパターンが決まっているために声を変化させることが難しいのです。

 大切なことは、呼吸をただ変化させるのではなく、自他ともに好ましい、伸び伸びとして包容力の高い呼吸ができることを目指すことです。

 ここからは余談です。
セミナー用の文を転載すると少し余白ができたので、ネットで魔女のイラストを探してみました。

画像の説明

 驚きました、現代の魔女のイメージは可愛らしいとか色っぽいとかの方が主流でした。ほとんどの魔女さんの背中が伸びていて、フリー素材のこのイラストのように背中が盛り上がっている魔女さんは何百人のうちの二人三人、「白雪姫・魔女」の検索でやっと下のようなイラストが出てきました。

 きっと「魔女の宅急便」というアニメが魔女を変身させたのでしょうね。

 今回の比喩は若い人には通じないかもしれない?!
 う~ん、時代が変わってしまったなぁ。



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