自分らしく生きる生き方そのものが人を健康にする

NVY-intro16

ナチュラル ヴォイス ヨガ入門 16

   2015年5月号 (No.188)

声には人それぞれ、色々な音色があります。
明るい声、暗い声、力強い声、か細い声……、そして広い声、狭い声というような、声の出て行く方向や声のある場所(空間)の感じ方、それらのすべてを合わせたものとして多様な声の音色があります。

これらは呼吸の状態が声という形で外に現れたものなので、心の状態そのものでもあるともいえます。ですから、人の声を聞けば、その音色が声を出している人の心や体の使い方を示唆してくれるのです。そしてそれは、声を出していないときにも無意識のうちに感じている自分が占めている空間の状態なのです。

私のように、声を聞き声を見るということをいつも繰り返していると、少しずつではありますが、声から多くの情報が得られるようになってきます。

声を聞き姿勢や動作を見ていると、気の不足しているところ、力の抜けないところ、声を出すときに感じている空間など、その人が無意識に感じていることがこちらに伝わるようにわかります。そしてその空間を生み出す体の中の気の動きまでもが目に見えるように感じられます。

上や前の方向、またはそちらの空間を使って出されると、軽い声、明るい声が出てきます。
後ろの空間、下の空間を使うと暗い声、重い声が出てきます。気落ちして背骨の力が抜けているとお腹の力の抜けた声が出るし、自己主張をしたいときは胸に力の入った声が出てきます。

また、喉、首、胸、お腹、どこにどんな力が入っているかで声は様々な音色と雰囲気を生み出します。

声にはそれぞれの特徴があるとはいえ、身体の正しい働きに沿った力の入り方であれば、バランスがとれており、気持ちよさや安心感を与えますが、間違った無理な使い方をしていると、もちろんそれはからだけでなく心の働き方も含めてのことですが、聞く人に不安定な感じや、不快な感じを与えます。

上や下、前や後ろと言っても、部分的な力の入れ方ではなく、全身が協力してそのことをしていることが大切です。声に限らず、自分の心身のために、全身が協力して動作をすることが必要ですし、そのようにして出てくる声が他の人に大きな影響を与えるということも大きなファクターなのです。その影響は声の音色を通じて相手に伝わるのです。反対から見ると、声の音色で使い方がわかる。使い方の良し悪し、使い方のバランスもすべて、声の音色で判断していくことができるということです。

これが声、呼吸、体、そして心という自分の要素(本来別のものではないが、別もののように見える)を、それぞれから他の要素を変えていくことのできる原理です。そしてその自他共に安定や快を感じさせる体の使い方や声の出し方の根底にあるのは生命への信頼なのです。

心の使い方も体の使い方も、テクニックを集めれば上達するというものではありません。すべてのテクニックは自分自身を養うものでなければ自分に益せず、他のためにもなりません。練習し、訓練するほどに自分を毀し異常にしていくようなやり方では豊かに生きることなどできません。よしんば世界一の記録を出そうが、どれだけ難しい歌を歌えるようになろうが、その行為そのものが自分の真底の喜びを生み出すようなやり方でなければ、生命の基準から見て意味のないことです。自分を養い自他共に喜べるような生き方を目指し身に着ける、これが道を求めるということです。

生命にあずけ、生命にまかせないと、生命に即した、生命の働きに忠実なやり方、使い方はできません。生命にまかせるからこそ自分の生命にとって一番いいやり方を「快」と感じて教えてくれるのです。

このバロメーターによって、無意識に使っている空間から出ている声を、意識的に変化させた空間を使って出す声に変えていくのです。それは呼吸を意識的に変化させるということであり、自分の意志によって心の向きを変えるということ、すなわち自己コントロールをしているということなのです。

これこそがヨガの8段階の中の第5段階、10段階の中の第4段階に位置して解説されているプラティヤハラです。



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